ソフトウェア受託開発ブログ「コネクテッドカーのための映像ストリーミング技術」

車載機器、特にコネクテッドカーとよばれる、通信機能が搭載された自動車の車載機器におけるIVI(in-vehicle infotainment:車載インフォテインメント)分野を例に、図研エルミックの映像ストリーミング技術がどのように貢献できるか、ご紹介します。

車載カメラを使ったIVI

車載カメラを使ったシステムの進化は、ドライブレコーダーの外部通信機能、映像解析対応といった従来の機器の機能強化はもちろん、複数のカメラを駆使して360度の視認を確保するサラウンドビューカメラシステム、運転情報を取得して保険料の算定資料とするテレマティクス保険、車載カメラの映像を使って遠隔地からリアルタイム監視、警報を実現するリモートモニタリングシステム、安全/運行管理など、新しいサービスとして現れています。その中でも、リアルタイム性が非常に重要な低遅延の映像配信(ストリーミング)、が必須なシステムがあります。

例えば、悪天候や夜間などの悪環境下の撮像を画像処理してクリアな画面を表示するという機能がありますが、撮像から表示までに遅延があるようでは、役に立ちません。一方で、クリアな映像を表示するには高い解像度が求められます。当社は、高解像度のデータを低遅延で伝送するさまざまなネットワークカメラの開発、ネットワークカメラを使ったシステムの開発を支援してきた経験と設計資産があり、コネクテッドカーの分野でも貢献できます。

コネクテッドカーに使われる機能と開発支援 イメージ

現在、図研エルミックでは、通信型ドライブレコーダー、デジタコ、メータークラスター、ディスプレイオーディオを手掛けるお客様に対し、主にプロトコルスタック(ONVIFRTPHLSSLL/TLS、エンコーダー他)の実装支援を中心に、映像情報を車載機器に取り込みリアルタイム で表示する機能や、車載内の機器間でのストリーミング機能の実装支援などの開発支援実績を重ねています。

その他、WiFiを使ってタブレットにカメラや車載機器の映像情報を表示させるなど、ビューワー(組込み、ブラウザーとも)開発も支援します。 いずれの開発支援でも、要求仕様レベルの初期段階から、、LTEシミュレータや仮想サーバーを使ったテスト環境の構築まで幅広く支援が可能です。します 。
現在、プロトコルを実装する車載OSは、車メーカー等による独自OSと、Green Hills SoftwareのINTEGRITY 、GoogleのAndroidやBlackBerryのQNXなど、汎用性を目指したOSが混在している状況ですが、当社が技術資産としてもっているプロトコルスタックはCPU、OSともに非依存であり、柔軟な対応が可能です。CPUに関しても非依存で、NXP、ルネサス エレクトロニクス、インテルなど国内外のCPUに実績があります。

車載向け開発プラットフォーム、エコシステムの活用

車両の開発・設計におけるソフトウェアの比重が高まり、DXが進むなか、ルネサス エレクトロニクスのR-Car VPF、Automotive Grade Linux(AGL) が推進するオープンプラットフォームプロジェクトなど、SDK、APIの公開やエコシステムの提供構築も進んでいます。図研エルミックでは、このようなプラットフォームと自社製品を適用させるためのインターフェイス部の受託開発も可能です。