ソフトウェア受託開発ブログ「監視カメラ用SDKを使いこなしてカメラシステムを構築支援」

現在、多くの監視カメラメーカーが、SDKやAPI、オープンプラットフォームといった開発環境を提供しています。これらは、監視カメラを使って見守り、防犯、遠隔監視、遠隔保守など様々な監視システムの開発を行うユーザーが、監視カメラをNVSや映像解析機能などの他のシステムを統合したり、監視カメラ自身の機能を拡張するために使われます。

もちろん、カメラメーカーはSDKの使いやすさを追求しますが、SDKを使いこなしてより高度なカメラシステムを構築するには、低遅延ストリーミングのノウハウや、組込みOS、通信プロトコルの知識が求められます。また、SDKに用意されているAPIと自社の既存のソフトウェアモジュールがうまくつながらない場合などのトラブルにも対応する必要があります。
当社は、SDKを使ったシステム開発の受託にも力を入れています。

例1:ACAPを使ったシステム開発

ACAPを使ったカメラシステム開発イメージ図

ACAP(AXIS Camera Application Platform)は、パートナー企業か開発したアプリケーションを、アクシス・コミュニケーションズ(以下Axis)のカメラに取り込むための、Axis独自のオープンプラットフォームです。このプラットフォームを使ってカメラシステムの開発を希望するユーザーに対し、当社はストリーミング技術を活かしながらAxisデバイスの制御設計やACAPアプリケーションの開発を支援することができます。例えば、Axis製カメラが得た映像データや音声データをWebRTCに変換してクラウド上のVMSを経由した配信システムの開発支援が可能です。WebRTC、websocketの知見をいかし、またACAPアプリケーションのメモリ制限を配慮した設計を提供できます。

例2:i-PRO モジュールカメラ用SDKの開発支援

2つめの例としてご紹介するのは、実際に当社が行ったSDK自体の開発支援です。I-PRO株式会社が提供しているモジュールカメラ、「AIスターターキット 」「レンズトライアルキット」で使われているエッジAI搭載カメラモジュール用SDKに、FA用フィールドバスであるEtherNet/IPプロトコルをアドオン可能な形に実装(SDKを使ってユーザーアプリケーション領域から利用できるようAPI定義を行いライブラリ化)しました(詳細はこちら)。製造現場でカメラ映像と製造情報を統合したシステムの構築ができるようになります。もちろん、カメラモジュールユーザーに対しこのSDKを使った映像活用システムの構築も支援します。

図研エルミックは、多くのカメラメーカーにミドルウェアライブラリの提供、開発支援の実績がある他、カメラメーカーやLSIベンダーが提供しているカメラ用SDKの開発支援の実績があります。カメラをよく知っているからこそ、SDKの力を引き出し、周辺部とのスムーズな統合を可能にします。