アイホン様が新たに開発する「IX」では、一般に売られている各社の監視システムとの連動を可能にするため、セキュリティ用ネットワークビデオ製品のための標準インターフェース規格であるONVIFの採用を決定しました。カメラ付きインターホンである「IX」をONVIF対応させることで、インターホンのシステムと既設のONVIF対応監視システムの統合が可能になります。インターホンでとらえた顔画像を遠隔地で確認、常時録画したり、監視システムの映像をインターホンでモニターするなど、両システムの統合で建物のセキュリティが強化されます。
ONVIF対応カメラの開発にあたっては、日本国内で最も実績のあるONVIFライブラリである、図研エルミックのミドルウェア「Ze-PRO IPcam」と「Ze-PRO IPmon」が使われることになりました。「Ze-PRO IPcam」「Ze-PRO IPmon」は、ONVIF仕様の内、それぞれ画像の提供にかかわるネットワークカメラ部の仕様とモニタリング部をミドルウェアライブラリにしたものです。2009年の販売開始以来、多くの採用実績があります。
開発サポート
「IX」の開発では前述の「Ze-PRO IPcam」の他に、音声制御用にSIP用ミドルウェア(「Ze-PRO SIP」)を、また音声や画像をリアルタイムに転送するプロトコルであるRTPのライブラリ(「Ze-PRO RTP」)も同時に提供し、スムーズなメディア制御を実現しました。また、ミドルウェアライブラリの提供に加え、ネットワークカメラに関するノウハウを生かし、LSIのコーデック処理を最適化するための、ソフトウェアのチューニングも、図研エルミックがサポートしました。
アイホン株式会社様のコメント
「アイホンでは、オフィス、商業施設、銀行などの出入口のセキュリティ強化のニーズに応えるため、カメラ付ドアホン端末の映像を、市販の映像監視システムと連動をすることにより、常時録画を可能にしたテレビドアホン”IPネットワーク対応インターホン「IX」”の開発が市場要望として年々高まっていることを感じておりました。
開発を行う上で、市販の映像監視システムとの連動を、効率よく、また幅広いメーカーと可能にする方法が必要となります。その際、ネットワークカメラ製品のインターフェース規格として、業界標準 であるONVIF規格の実装がもっとも有益であるとの結論に至りました。
アイホンでONVIFライブラリを開発するには多くの時間が必要となるため、今回ONVIFライブラリでもっとも実績のある図研エルミック様にご協力をいただきました。
また、図研エルミック様では、IP電話の標準規格であるSIPライブラリ、映像と音声通信のRTPライブラリも保有されており、IX端末同士の制御は SIPライブラリで、IX端末と映像監視システムと連動はONVIFライブラリで、映像と音声通信はRTPライブラリで行うという仕組みを、効率よく開発 することができました。
また、開発を通じて、図研エルミック様にONVIF規格についてご指導いただき、アイホンもONVIF規格のノウハウを蓄積することができました。
ONVIF規格は、年々バージョンアップされており、それに伴い対応する機器、メーカーも増えております。図研エルミック様のONVIFライブラリもバージョンアップに対応いただき、今後もより多くの映像監視システムとの連動を可能にできることを期待しております。」
(アイホン株式会社 技術本部 ソフトウェア開発部 第二開発課 開発主査 藤井 一幸様)
*1:アイホン様2013年3月プレスリリースに基づく
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