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【Network技術-2】リアルタイム処理にUDPだけではなく、TCPも使われる理由を教えて下さい。

UDPは高速だがNAT越えが課題

UDPは、ネットワーク経路上でのパケットロスや受信側の受信能力によるパケットロスなどの可能性がありますが、TCPのように相互接続するためのパケットのやり取りや、到着したパケットに対するやり取りが存在せず、速度が早いことが特徴です。ただし、UDP単体では「NATを超えられない」ことが課題としてあります。

仲介するサーバや上位のプロトコルなどがあれば、NAT越えが可能になりますが、インターネット上の通信やサービスを考えた場合、NATを超えられることは大きなポイントになります。このため、NATを超えることができる通信で再送処理やフロー制御による確実な通信が可能なTCPは、リアルタイム性が必要な状況でも多く使用されています。TCPの特徴として、UDPよりも時間はかかるものの、受信確認・再送処理・フロー制御・輻輳制御により確実にデータを配信できることが挙げられます。

HLSによる効果も

TCPの上位のプロトコル規格であるHLS(HTTP Live Streaming)を使用することで、TCPの特徴である再送処理やフロー制御だけでなく、Webベースでの動画配信や、アダプティブビットレートストリーミング技術による安定した映像の再生、HTTPSによるセキュアな通信が可能になります。

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